読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「AI・IOT・ロボテックス」

 なんか分かっているようで分からない。なんでもできそうで何にもできない。今のままなら、今では不要になった江戸時代のデータまで読み込んで、あるいは地球の裏側までデータを読み込んで、答えを出すかもしれません。だからと言って、それは必要ないかと言えば、輸出品には不可欠の情報であり、その現地情報は誰が選択してインプットするのか?ゴミ情報は誰が取捨選択し、ダミー情報や妨害情報は誰が判断して削除するのか?「全部コンピュータが勝手に学習するんです」では済まされません。商品の仕様品質性能デザインなどが、永久に変化しないのであればAIの活用や、IOTのパターンも変化なくても問題ないでしょうが、商品の品質性能デザインがドンドン進歩する以上、コンピュータに持つビッグデータの構造にも変化が求められ、市場や消費者の変化を先取りした「商品開発」を目指し、ヒット商品に育て上げるには、「過去のビッグデータ」だけで「経営の意思決定」は道を誤ります。データの精度が細かければ細かいほど、より精巧な商品が作れます。インプットが低レベルなら、完成品も必然的に低レベルの商品にしかなりません。

 もう一つの問題はコンピュータに記録するのは「知識」だけでなく、「技能」も教えなくてはなりません。「知識は文字情報ですからAIに教え込むことは比較的に容易」ですが、「熟練ノウハウ」は数値化以上の磨かれたものでなくてはなりません。しかも「知識」データは「定義」通りの意味しか持ちませんが、「技能」には個人の「器用、不器用」の個人差があって、また「適性」もあります。そうした中からいかにうまく「商品造り」に必要な「技能」を磨き上げるのかが課題であり、それらの「技能の集大成」が「ものつくり」の決定的な差となって、大きく「売れ行き」を左右することになります。このため、AIの時代にこそ、ますます高度な熟練技術者のより鍛え抜かれた「技能」の開発が要求され、そこから生まれた「技能ビッグ・データ」をAIに教え込まなくてはならず、単に日常の生産活動の生データをAIの読み込ませるだけでは、最先端の高度な製品は創ることは出来ません。

 また、AI,IOTが完成しても、そのAIやIOTを使う以上、トラブル対応やマイナーな仕様変更などが求められる場合には、やはりビッグデータの中身を理解できる専門技術者がいて、「そこをどのように修正すれば、要求に耐えられる仕様変更ができるか?」などのメンテナンスが必要になります。つまり、「技能ビッグデータ」を構成して使いこなすには、従来の「熟練工」+「AI経由のモノ作り知識」の両方が分かる高度な技術者でなければ、AI ・IOT・ロボティクス時代の技術者は務まらないことになります。こうなると「新商品の製品スペック」を企画する段階で「必要な知識・技能のすべてが網羅できなければ、商品設計ができない時代になり、相当ハイレベルの設計技術者と生産技術者が力を合わせて、「モノ作り」を担当せねばならないことになります。そこには、たった一個のデータの誤りがあったら、商品ずべてが欠陥商品となってしまい、不良品の手直しなどが非常に困難な時代になります。

 モノ作りには、必ず「設計変更」はつきものです。新しい技術によってより優れた部品が発売されたり、新しい機械の導入で飛躍的に生産性を高めるなどの改革があるからです。さらには、「システム」にも新規開発のモジュールが導入されてたり、生産が繰り返された場合の「システムの精度の劣化、不具合の多発などセンサーでは見つけにくいトラブルを未然に防ぐ工夫が必要で、それなくしては「リコールの責任は誰が負うのか」という問題を孕んでいます。これに法制度の変更やその影響の見極めなど「生産を取り巻く環境情報」の取り込みなど、従来のもの作りとは格段の精度の違うレベルの取り組みが要求される。それがAI・IOT ・ロボティクス時代の課題ではないかと思います。

 いつもの「フール・プルーフ」「ファイル・セーフ」の配慮も含めて、より高次元の世の中に進歩しながら、しかもAI・IOT,ロボテックスの原点である技術者の確保を怠れない。これが果たして本当の『技術的な進歩』だと言えるのかと思えるほどの「複雑化」が避けられない。そんな時代を迎えようとしています。自動運転車などは、一歩間違えば大掛かりな事故発生の危険性もはらんでおり、人間は「イレギュラー対応の柔軟性を持っていましたが、コンピュータはあくまで、「インプットした物からしかアウトプットは出来てこず、ビッグデータの場合ささやかなデータのゆがみが積み重なってイレギュラーな事態を引き起こす可能性があるので、慎重な検討が必要になります。

 最近大人気の手術支援ロボット「ダビンチ」などは先行成功例としてとみに有名ですが、どうしても開発費が高くなり、自ずと販売台数が抑えられる傾向にあります。特に大事なことは、ソフトウエアのモジュール化、パーツ化によって、開発期間の短縮や開発費の低減合理化を初期段階で設計思想として持っておくことです。それによって、格段の競争力になります。大きなイノベーションになりますから、楽しみではありますが、その完成までの道のりは苦しみの連続になることは間違いなさそうです。頑張れニッポン!。