北朝鮮ならず者集団、スターリニスト中国を強く非難、「重大な結果」と威嚇の先は

 北朝鮮ならず者集団の国営朝鮮中央通信は3日、スターリニスト中国を初めて名指しで非難した。

◎ならず者集団、習近平への不満が爆発

 個人名の署名論評として発表されたものだが、それによると中国の国営メディアが「朝中関係の悪化の責任を全面的に我々に押し付けている」、「露骨に威嚇している」などと強い調子の非難論評である。

 そしてまた「中国は無謀な妄動が招く重大な結果について熟考すべきだ」とも警告した。

 先月21日にも、北朝鮮ならず者集団はスターリニスト中国を批判したが、それは間接的なものだった。

 3日の論評では、「レッドラインを越えた」とも言っているので、最近の習近平の圧力についにならず者集団の不満が爆発したのだろう。

◎自分だけが正しいと反対派は厳しく抑圧

 どこの国の共産党であれ、自らの教義と行動こそ唯一正しく、他の解釈は異端として厳しく排撃する。したがって党中央から1度批判されると、よほどの自己批判をしない限り、許されることはない。

 共産党が政権党であれば、異端派・反対派は投獄・重労働刑か銃殺だ。資本主義国の党(例えば日本共産党)なら、除名である。民主主義体制下では勝手に閉じ込めると監禁罪、殺せば殺人罪に問われるからだ。

 「反対派」への対処は、対外的にも変わらない。

◎中ソ論争から中ソ国境戦争への歴史

 かつてスターリニスト中国とソ連が激しく対立した1950年代末から1960年代初め、最初は互いに相手国の党と指導者を「ある党」とか「ある人」とか、名指しせず批判していたが、論争が激しくなると、ついに名指しでの非難の応酬となり、最終的には1969年、「中ソ国境戦争」として戦火を交えるまでになった(写真=上から珍宝島ソ連名はダマンスキー島=での中ソ両軍のもみ合い、国境を警備する人民解放軍、前年のチェコスロバキア侵攻にも参加したソ連軍戦車)。

 前述のように、互いに自分だけが唯一正統と考えているから、相手の批判には耳を貸さない。そして一方的に悪罵を投げつける非難、となる。

 今度の中朝論争は、中ソ対立の激しくなりかけた1967年頃を思い起こさせる。

◎スターリニスト中国は「厳しく対応する」

 むろん非難されたスターリニスト中国も、黙っていない。中国共産党機関紙「人民日報」系列の環球時報は、4日さっそく反論し、朝鮮中央通信の記事を「激情に満ちた文章」と非難、「平壌は理性的でない思考に陥った」と断定したうえ、「北朝鮮が新たな核実験に踏み切ったら、中国はかつてない厳しい対応をすると知らしめねばならない」と威嚇した。

 今後、習近平がトランプ政権の圧力を受けて、具体的な北朝鮮制裁を実行すれば、さらにならず者集団の非難のトーンは高まり、同時にスターリニスト中国の反論も軍事的色彩を帯びたものにエスカレートしていくだろう。

 ここが、民主主義国同士の意見の違いと決定的に異なる点だ。最終的には武力行使に至る可能性も高い。ただその時までに金正恩体制が残っていれば、だが。

◎頼みの綱だったスターリニスト中国にも非難は自暴自棄の表れか

 しかし、ならず者集団の血迷った対中非難を見て、この連中はいよいよどうしようもない苦境に陥っている、と感じられた。アメリカの武力をちらつかせた攻勢を受け、今、北朝鮮ならず者集団は、北で国境を接するスターリニスト中国と事を構えたくは絶対に無いはずだ。

 だからここまではっきりと対中非難をするのは、自暴自棄になっている表れでもある。スターリニン主義者を言葉で非難して、翻意させることなどできないことは、冷静に考えれば分かるはずだ。自分たちがそうなのだから。

◎韓国大統領選後の文在寅だけが希望という行き詰まり

 金正恩体制は、いよいよ袋小路に入っている。彼らの唯一の願いは、9日の韓国大統領選で、従北の文在寅が当選し、自分たちを救ってくれるという希望だろう。

 確かに文在寅は当選するだろう。しかし文があからさまなならず者集団融和策をとれば、アメリカのトランプ政権と国内の保守派が黙っていない。最悪、民衆を巻き込んでの軍とクーデターで政権を追われかねない。

 頼りの文在寅が当てにならないと知ったら、ますますならず者集団の対中非難が先鋭化する。北の国境が、むしろきな臭くなってきた。

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